漢方と鍼灸あんまの専門家・中医師の イトウ ガク です。
前回まで昨今の疫病に対し、どのようにおキュウを使い予防をするかという方策と、今回の病気が起こったシステムについてお話ししました。
おキュウを使って、病気を予防する。前説 | | オリエンタルコスモス〜あなたの知らない中医の世界〜
おキュウを使って、病気を予防する。 | | オリエンタルコスモス〜あなたの知らない中医の世界〜
免疫と予防
まず、大事な言葉がありますので、書いておきます。
「正気存内、邪不可干」
これは、正気が体の中にあれば、邪気は侵入しませんよと言う、免疫に関するガイドラインです。
正気とは、先天・後天的な気や作られた血気も含めた要素であり、その運行が正常であると免疫力が保たれている状態にあります。
邪気とは、原始的な解釈であれば、「外気の非正常化」という環境に由来した病気の原因です。
予防医学の観点で言えば、
「聖人不治已病、治未病。」「渇而穿井、闘而鋳兵、不亦晩乎」
前者は、偉い人は、病気になる前に予防をするもんだと言っています。後者は、病気になってからを日常に照らし合わせ、喉渇いてから井戸掘っても遅いよね〜wwwwっと書いてあります。
「未病(みびょう)」という言葉は、ご存知の方は多いと思います。もちろん、病気を発生させないということもありますが、病気を進行させないという意味も有します。
実際、中国医学・東洋医学ではどのように免疫力があげられる可能性があるのか、イトウ ガクなりに考えました。
中国医学での免疫を上げる施策
- 漢方薬
- ハリ
- キュウ
- あんま
- カッピング(吸い玉、抜罐)
- カッサ (刮痧)
- 運動・養生功
これらが代表的な、施策となります。
施策を行い、下の状況を作ります。
- 気血の流れを調える。
- 気血量を調整する。
- 五臓六腑の働きを改善する。
大凡、これに尽きると考えます。これらをもう少し細かく説明いたします。
気血の流れをを調える。
中国医学では、気血の流れを重要視します。流れの停滞や逆流により、必要な場所への気血の供給がなされない事から、多くの病が起こると考えます。この要素は、外的・心理的な原因からも引き起こされます。
中国医学の施策で、最も活用されている方法と言っても過言ではありません。体の緊張を取り除き、血流障害を改善させて免疫を作用させる白血球の運行などの調整も考えられます。
気血量を調整する。
気とは主に温める要素を表して、血は体の水分要素を表します。細かく分けると津液などの言葉もありますが、今回は割愛します。
気血量を調整するについては、3の五臓六腑の働きを改善する事と意義を同じくします。
気血は、物質として体に取り入れることから漢方薬がメインとなります。物質として取り入れて、効率良く吸収とエネルギーの転換を図るには、五臓六腑の働きが必要となります。これはハリ・キュウなどでも調整することは出来ます。
当然、1の気血の流れを調えるにも、気血量が足りなければ成立しません。また、過剰な量があっても余計に働き過ぎてしまうので、そんな時は捨ててしまいます。
血液を増やして、血圧を高めて循環をさせて、なおかつ体温を上昇させる事で、免疫の働きやすい環境を作り上げるということが考えられます。
中医的免疫力アップの条件
- 体に必要量の熱と水分を同等量揃える。
- 身体中に分配させる。
- 体の機能をフル発揮させるようにする。
その結果として、以下のように体は作用します。
血流の改善
体温の上昇
→免疫細胞の作用しやすい環境作り
いかがでしょうか?中国医学で、体の調整したくなりましたか?
それでわ。