今回も過去に書いたブログ集です。若干時期的にはあいませんが、鍼灸で使われる鍼の中でも、日本特有の鍼管とその由縁の旅について書いています。
杉山和一
日本のハリは、パイプのような管を使い、その中にハリを入れて身体に刺します。その誕生の逸話をざっくりお話しします。
むかしむかしの江戸時代、かつて管も使わず、ねじ込んで入れるのを苦手すぎて、師匠からも破門されるほどだった「杉山和一検校」という方がおりました(´・ω・`)。
その杉山検校が実家に帰るさなか、江ノ島神社の石に引っ掛かり転んでしまったそうです。そこで気づいてみると、松の葉と竹の筒があって刺さっていたそうな。そこから「管鍼法(かんしんほう)」という、管を使ったハリを打つ方法が生まれました。
その後、杉山検校は将軍・綱吉様から東京の両国付近に土地を賜るほどの腕となりましたとさ、めでたしめでたし。盲目だったということで「一つでいいから目が欲しい。」といったら、「本所一つ目」という土地だったというのは、なかなかオツな話ですね。それが両国にある、江島杉山神社と呼ばれています。
江ノ島を詣でる
なにを詣でるって。。それは。。杉山検校を詣でる事です。
今の日本の鍼を司る「管鍼」を発明した人と言われております。まあ、詣でるという言葉には語弊があるので、「参る」としましょう。
さすがシルバーウィーク、人・人・人であふれ、普段見られる猫たちも姿を消していました。
江ノ島には、杉山検校の御墓があり、ちょうど海が覗けるようなロケーションでありました。
鍼灸師がいかにも墓参したと思われる形跡として、管鍼が置いてあったのも印象的でした。
結局、下道を通る事で遠回りをしてしまい、岩屋の近くに出ましたが、辺津宮にもどる途中も黒山の人だかりでした。
辺津宮の階段を降りる途中に、福石というのがあります。かつて、江ノ島で断食していた杉山検校がつまづいて、管針を思いついた逸話があります。その石が福石なのですが、でかい石がごろりとしているかと思いましたが、石碑とその周りに何個か石がありました。「いったいどれにつまづいたの?」
そんな疑問を感じさせてくれる江の島の旅でした。