中国伝統医学の漢方と鍼灸あんまの専門家・中医師 イトウガク です。
今回から、イトウガクの勉強シリーズとして「運を観ながら中医を学ぶ」をテーマにブログを書きたいと思います。
◎水野南北に触れる
このテーマでは、水野南北先生著の『南北相法』と『修身録』という本を取り扱っていきます。観相術の本であり、ちょいちょい五行などの知識が入ってくる本です。
参考図書は、東洋書院 『新修 南北相法/修身録 開運の善導とその極意」です。
本当は、原文を見てみたいですが、まずは入門としてこちらの本を参考にさせて戴きました。翻訳としては、文章を噛み砕かれており読みやすい方で、翻訳に大変苦労されたんだと感じざるを得ない本でした。
◎本の特徴
▽『南北相法』
○本の帯での解説では、観相術(人相・手相・気色)を見て運命を知る本。
▽イトウガクの読む前の認識
○体の形状や特徴、時間や場所から命運を観るって感じですかね?
▽『修身録』
○食養術とは疾患を治療し、罹患臓器を庇護して開運を導く。
▽イトウガクの読む前の認識
○食事の量を変えると病気が治り予防ができることが、開運になるってことですかね?
また読み進めたら、認識が変わると思います。
◎水野南北の略歴
時は江戸時代宝暦十年つまりは1766年に大阪で生を受けました。20歳を手前にして、ワルをしていたことが祟り、刃傷沙汰を引き起こし投獄されました。
その一年後に刑務を終えるのですが、そこでとある易者さんから「あんた人相悪いね。早死にするよ。」てな事を言われたとか、言われないとか。
その一言により、南北さんは食を改めること1年、同じ易者に見てもらったところ「人相が変わったな!」と褒められたそうです。そこで、人相と食の大事さに気付いたそうです。
南北さんは、その後に床屋や銭湯、火葬場などで三年ごとに働き、その人相を実地で見聞したそうです。その後も必死の修行を経て全国に名だたる観相家となり、天保五年(1834年)にその生を全うされました。
多少ワルをしてても、努力次第で名だたる人になるという、サクセスストーリーとしても秀逸ですね!
◎この本を選択した目的
中医には四つの診断法=四診があり、そのうちの望診とはいろんな形などを観察します。中医と何かしらの共通点や、異なるところがあるのではないか?と思いました。
また、修身録では食生活について触れられています。水野南北の考える「節食が運命を変える。」が中医の食養生につながる、あるいは新しい観点からの思考があるのではないかと言うことを目的に読み進めていきます。
普段触れることがない、この本に少し触れてみませんか?