はじめに
ショートケーキのイチゴは、どのタイミングで食べますか?
最後に食べて、口の中をサッパリさせたい中国伝統医学の漢方・鍼灸あんま専門家「中医師」 イトウガクです。
そんな私は、治療時に痛みのある部分がから始めずに、遠くから始めていくタイプです。お城を攻める時に、お堀から埋めていから本丸を攻めるタイプと言った方がよろしいでしょうか。
今回はそんなお話です。
遠くから治すこと
中医の鍼灸では古来より、「上の病は、下で取る。下の病は上で取る。」「左の病は、右を取る。右の病は、左を取る。真ん中の病は、傍(かたわら・そば)を取る」と言ったりします。これは症状を遠隔的に治療をする事を意味しています。
これらに反する言葉に、「頭痛医頭、脚痛医痛(頭が痛ければ頭を治し、脚が痛ければ脚を治す)。」とあります。これは、いわゆる局所治療で中国語的に解説すれば「その場しのぎ」を意味します。
治るんだったら局所治療でいいじゃん
それでも良いと思えれば、それで良いのです。現代医学の多くの治療法は、局所治療を多用します。熱が出れば解熱剤、ガンが出れば腫瘍の摘出、おう吐をすれば吐き気止め、炎症や痛みが出たら消炎鎮痛剤などがあります。
これらは非常に効果であり、効果も早いことからも、その人の望む回復状態にある程度調整することは可能です。
中医の主流では、現在出ている症状の根本を導き出して治療をすることが多くあります。根本以外の所は、漢方薬であれば症状に適した生薬を加減することで調整をします。とは言え、漢方の流派により加減を行わないこともあります。
鍼灸では、根本的な治療と場合により局所治療を加えていきます。そのことが、新た病気の発展の予防となるからです。
また、急性であるほど局所を治療していく傾向があります。
次回へ続く