中医学

気のお話し

中国医学では、気や血や陰陽など不思議めいた言葉が出てきます。特に「気」はあまりにも謎めきすぎた部分でもあります。

気功で人を飛ばすとか、身体を治すとか、それは気のせいとか…。まぁ多々ありますよ。

「気」には、概念的なものと機能的、部分的などの内容に分けられます。総じて『気とは、自然がさまざまな活動を行なうために必要な要因やエネルギー。』だということです。

実際、中国医学での気とはどんな効果があるのか、その効果が低下するとどんな症状が出てくるのか見てみましょう。

気の基本機能と気が病んだらどうなるか

➀身体を温める。⇔ 身体が冷える。

②成長を促したり、血流などを整えたりする。⇔ 痛み、ストレス過多、成長不良。

③身体を守る。⇔風邪を引きやすくなる。

④体液・エネルギーのルート保全と固定。(血液が通り道から出ないようにするなど。)⇔出血、尿もれ、息切れ。

⑤物質を別のものに変化させる。(食べ物を血液に変化など。)⇔貧血、むくみ。

以上が、大まかな機能の分別ですが、気の機能は「気」の状態のみに変化を及ぼすだけではなく、「血」や「津液(水)」と呼ばれる部分にも互いに影響をもたらします。

先天の気と後天の気

『気とは、自然がさまざまな活動を行なうために必要な要因やエネルギー。』と、書きましたが、人もまた気が集まったものとも考えられています。人は先天の気と後天の気で構成されます。

先天の気

先天の気とは、陰陽であり父母からもらった気です。現代で言えば遺伝子や人が誕生する元となるのが先天の気です。後天の気とは、人が誕生してから生命活動をするためにとる、食事や呼吸を主に指します。

後天の気

後天の気には、ざっくり言うと1、衛気 2、栄(営)気3、宗気の3種類があります。

どれも全て食事を取ることで元で作られる気です。宗気から説明しますと、食物が消化され、栄養の純粋なエネルギー(清気といいます)が、心や肺にたまり空気と混じりあい、胸の中にある気が宗気です。宗気の状態は、心臓の鼓動に示されます。心臓がドキドキしたり、逆に鼓動が弱くなったり、胸がつまり呼吸が浅い場合などは宗気に影響があるいいえます。

栄気は、宗気と同じく胸の中に入り、その後血脈を流れて、五臓や身体の末端に栄養を送ります。

衛気は、守る意味があり、栄養が残った部分が、身体の表に栄養を与え、筋肉を温めて皮膚や毛穴の調子を整える働きを持ちます。

以上、気についての簡単な説明でした。


資料

霊枢・邪客

五穀が胃に入り、消化物・津液・宗気にわかれる。津液の「津」は身体の水分全体を現し、身体に必要な血・骨髄液などは「液」という。

宗気は胸の中にたまり、心・脈に流れて呼吸をする。

営気は津液の中に混じり、血に変化し四肢や五臓六腑に流れ込み栄養を与える。

衛気は四肢や筋肉皮膚の間を休まずとおる。朝昼は体表を走り、夜は体内に入る。

清気 清気は肺に流れ、太陰に従いながれる。

霊枢・五味

五穀は胃で精微と糟粕に分かれる 精微は胃を出た後二焦に流れ五臓に流れる別のところから衛営にわかれる。大気と精微が胸中でたまることを気海という、肺を出て咽喉に従う。

五穀 黍・粳米・麻・大豆・麦

霊枢・衛気

浮気で経に流れないものが衛

精気で経脈を流れるものが栄

霊枢・本臓

衛 筋肉を温め、皮膚を充填し毛穴を肥えさせ閉じ開きを司る。

霊枢・陰陽清濁

霊・穀物が胃に入り、肺から五臓六腑に送られる。そのきれいな清気を営気、混ざり物があるのが濁気を衛気。

衛気は下焦から

営気は中焦から

上焦は胃の上(噴門)からでて咽に沿り横隔膜を抜け胸中に入り、腋から太陰から陽明にもどり、上は舌へ下は足の陽明へ常に営気と流れ、また手太陰にもどる。

中焦も胃の中からでて上焦の後ろをでる。(または、出た後)糟粕は別れ、津液は蒸されてその精微は肺脈に流れそこで血となり、そこで流れるものを営気。

営衛は精気、血は神気。異名同類

下焦は回腸から膀胱に注ぎ込む水穀は胃の中で残渣物に変化し大腸へ降っていく。下焦でさらに搾り取られた水分は、その液は膀胱へ流れる。


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