中医の雑記中医学古典中医学鄭欽安

自然妊娠にしろ体外受精にしろ、まず調えることがある。

漢方に関わること生業にしていると、必ずと言って良いくらい不妊症で大変な思いをしている方にお会いします。

そんな中で、不妊治療の苦労も多く耳にします。それは、精神的であったり、肉体的であったり、また経済的なことであったりもします。現在での生活との折り合いをつけながら、いかに不妊治療を行い辛い思いを味わい、楽しみがまるで失われていくかのようになるそうです。また、気持ちの焦りが起きて自信喪失、そして諦めへと心が切り替わってしまいます。

 

 

神は、あなたを救う術の1つ。

神と言っても、信仰対象としての神を述べているわけではありません。ここでの「心」は精神・気持ちや意識・心理の事を指しています。

心は神をつかさどる、と中医では言われています。神が乱れたり不足する事で、体の気機(気の動き)も乱れを起こしたり、落ち込みが起きたりします。

神が弱くなるの原因

自ら引き起こす原因には

多くの物事を考え過ぎること。にあります。人が思考をする時には、血が使われていると中医では言われます。思考が過度になると、血が不足して血脈をつかさどる心や血を作る根本の脾が病むことになります。ましてや脾が病むと、気を作る機能も低下して、気血が両方とも減少することになります。

気血の減少は、人の妊娠を田畑に例えた時、土に熱分も水分もないような状態にあたります。これだけでも妊娠に至るには、困難な状況にあることが分かると思います。

ただ、漢方的に胃腸の機能が低下していても、気血の減少は起きますので、その状態が神へと影響を与える時があります。

その他にも神を乱す要素として、外的に受ける恐怖や悲しみ・怒りなどのストレスが関わってきます。また、身体の内部から「喜・怒・思・悲・哀・憂・恐」の七情から起こる疾患である内傷が生じるようになります。

そんな事から、この「神」を調える事が大事になってきます。

 

 

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神を調えるには

自分に優しく、相手にも優しくする。

最初に述べた通り、不妊治療を進めていくことで自信喪失が起こり自己評価が低下して諦めにつながります。そこで自己批判を起こしてしまうと、精神衛生上良くありません。僕は臨床で、まず不妊治療は「自分の妊娠をサポートする為の治療」である事をお話しします。何故ならば「治療に振り回されている自分」の状態が多いからです。

ガンの治療の方でも、新たにガンの転移が見られた時に信じられない気持ちや自信喪失で「治らないのか」などの認識を改めてすることで症状が進行していくのはよく聞く話です。

なので、「諦める」とか「自己批判」とか「自信喪失」をするのではなく、自分で自分を褒めてあげられるくらい優しくしてあげてください。甘やかさない程度に。そして、自分の心のペースを保つことで不妊治療を「自分の妊娠をサポートする為の治療」に気持ちをスイッチしてみましょう。

自分に優しくしてあげて、焦る気持ちを少しでも減らしてあげてください。不妊症に限らず、養生法に置かれては一番最初に述べられるのが「神」を調える事です。

名医・鄭欽安は語る。「中年で子がないものは、良い事をすると良い」と言い続けて「夫婦ともに生活に節度を持つ事で、精神的に安らぎが得られるようになれば、百脈の流れは穏やかになる。」と述べている。

自分に優しくしてあげれば、自ずと相手に対しても優しくする余裕が生まれて来るようになります。

少しでも、病気になる元を減らすために、実践してみましょう。

 

 

 

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