中医学古典中医学学習鄭欽安

医理真伝〜君相二火解②〜

真火の上昇と未上昇の区別

君火相火の不足で陰気が増えることによるシチュエーションは以下の2種類が考えられる。

①「有陰気上騰而真火不與之上騰者。」陰気があって上昇しても真火は上昇しないもの。

②「有陰氣上騰而真火即與上騰者。」陰気が上昇すれば真火も共に上昇するもの。

この2種類は特に注意すること。

脈浮空、気喘促(息切れし呼吸が浅くなる)、未だ顔の発赤・発熱・発汗が無ければ、陰気上騰はあっても真火の上昇は未だなっていない。

顔面の発赤、発熱、発汗があれば真火の上昇が現れた証拠。これを「脱(陽)」と呼ぶ。

治法:回陽鎮納

真火の上昇が見られていなくとも、陰盛が出ていれば手遅れにならないうちに「回陽」をする。

?陽気の下降

また、以下の2種類にも注意をしたい。

①陽気下趨而君火未與之下趨

②陽気下趨而君火即與之下趨

・ 君火の下降: 四肢の強い冷え、二便は利して失禁は無い

・君火の未下降:四肢の冷えは無く、脈が細微にして尽きそう、二便は下血して下痢になり未消化で水様、失禁がある。

?下が弱まる(※陰が弱まる?)=脱陽、 坎中之陽→補陰 独参湯

?上が弱まる(※陽が弱まる?)=脱陰、 離中之陰→補陽 回陽飲

脱陰に補陽、脱陽に養陰を使う必要のない場合もある。

陰盛ならば陽はすぐに滅する(※陽気不足を伴う)。陽が旺かれば陰すぐ消す(※陰気不足を伴う)。

イトガクの補足

陰が増える(陰盛)ことにより、真火が上がるものと、上がらないものがあると述べられています。真火が陰盛により上昇した状態は、非常に危険であり「脱陽(亡陽)」と言われます。
脱陽の症状の基準は、「脈浮空、気喘促、発熱、発赤、発汗」が見られるか、否かです。

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