明けましておめでとうございます‼︎
漢方鍼灸の専門家・中医師のオリエンタルコスモス・イトウガクです。
冬至の所以
もうすぐ柚子やらカボチャを食べる冬至になります。ご存知の通り、一番昼が短く夜が長くなる日です。古代・周では冬至があるこの月を「子月」と呼び、1年の始まりとされていました。
古代の中国皇帝たちも、冬至になると1年の天候を祈祷する儀式を行っていました。
中国のことわざで「冬至にはギョウザを食べて、夏至には麺を食べる」とあります。漢の時代の名医で、葛根湯などの名処方が記載される書物「傷寒論」を書いた張仲景先生は、冬になると
「去寒嬌耳湯(きょかんきょうじとう)」と呼ぶギョウザを、寒さを凌ぐ人たちの耳の凍傷を治療する薬として出しました。
羊の肉と薑(ハジカミ)を使った料理です。トウガラシのようなものを使っていたとも言われていますが、トウガラシが中国に入ったのは明の時代ともされていますので、ショウガなどの薑類だと考えられます。
ギョウザの元祖とも言えるものを作った、張仲景先生は他の処方でも多くショウガを使うことから、おそらくショウガであったと考えられます。
また、冬至は一陽を生む、つまりこれから新たに四季を迎えるためのエネルギーが生じる重要な時期です。例えて言えば、女性が妊娠をしたばかりの状態のように、一つの生命が生じ始めたばかりなので大切に養生をしたい時期です。
養生するポイント
1.精神を調える。
精神的負担を減らすように意識をしましょう。ゆったりとした音楽で気分転換や、娯楽を楽しみ、人の良いところを見つけて本心から褒めてあげましょう。
人は誰でも自己承認欲求がありますので、相手を気持ちよくしてあげれば、回ってあなたも気持ちよくなります。
2.規律正しい生活リズムで過ごし、過労をしない。
休みの日だから、あと1時間寝よ〜ってなっていませんか?人間にはバイオリズム(概日リズム)があり、平日同様に習慣化された時間に起床就寝をする方が良いとされています。時間に余裕がある人は、春夏秋冬の起床就寝に合わせても良いでしょう。
また、過労は体の持つ元気を奪っていきます。忙しすぎず、自分のペースを会社の人などに黙って保ってるのも良いでしょう。過労は男性女性ともに不妊の原因にもなりかねません。
3.体をちょっと動かそう。
先程、冬至は一陽を生むと申し上げました。運動は小さい陽気を動かしますが、激しい運動をすると陽気を発散させて、新たな人体の四季を迎えるエネルギーを奪い取ってしまします。体が程よく温まり、冬の冷えで血流が滞らないくらいの運動が良いでしょう。
熱い!冷たいの飲みたい!汗ダラダラ!まで行ったら、やりすぎです。
4.四季の養生の法則に則り、生活を過ごす。
これは、二十四節気のほかの内容をご覧ください。
冬至から気になる病気
中医では、脳や心臓など症状が出やすいと言われます。それは、おおよそ冷えによる原因です。
冷えて血流が悪くなれば、体の栄養が巡らなくなり心臓の痛みや筋肉においても「痛み」が出るようになります。
また、一陽は下腹部にあると言われます。冷えは足元から上昇する性質があり、冷えが下腹部まで至ると、その一陽が動き上昇してしまいます。
そうなると、めまい・頭痛・のぼせなどが現れ、中風といういわゆる脳卒中の症状にまで至ることもあります。
予防として以下を守ると良いでしょう。
冬至の病気予防
1.冷やさない
2.怒らない
3.激しい運動はしない
1.冷やさない
いわゆる「首」のつく、手首足首と首はマフラーなどを使い冷やさないようにしましょう。冷えは風に乗ると首の後ろからやってきて、頭痛とかを起こしやすくなります。
昔の名医たちは頭の上にお灸をして頭痛を治したりしていました。
2.怒らない
「怒髪天を衝く」と言いますが、怒りは気を逆上させます。先程の一陽さんが、上昇してしまう原因になります。
3.激しい運動はしない
これは養生のポイントで述べた通りです。
冬はこんな薬膳料理
皇帝さん家の冬と言えば「羊肉と大根の煮物」
材料
大根、羊肉(ブロックかスライス)、ショウガ、中国料理酒、塩
大根と羊肉の量は、大根2:羊肉1くらい準備します。それぞれ角切りにしておきます。
羊肉角切り肉を鍋に入った水にいれて、火をかけて沸騰したら5分ほどで肉を取り出します。これをやる事で、角切り肉は柔らかい歯ごたえになります。また臭みが減ります。スライスは特にここでは湯通しくらいで良いでしょう。
鍋のお湯は捨てて、新たに鍋の湯を沸かして沸騰させます。
羊肉の角切り肉、ショウガ、料理酒(紹興酒にシナモン・八角・花山椒で代用可)、塩を好みの味付けの量で入れ、肉が6分くらい茹で上がったら大根を加えます。
スライス肉の場合は、大根を先に入れて8分くらい煮込んだ段階で一緒に煮込みましょう。