中医の雑記中医学学習

こんにちは、オリエンタルコスモスの中医師・伊藤岳です。
 
漢方の世界では、日本漢方・中医に限らず「証」を重要視します。「証」は字の通り証拠であり、身体の状態を表すための証拠基準と言ったところででしょう。
今回は、中医の「証」について解説をしたいと思います。
 

証の概念

 
人は、時間軸の中に生きていいます。今ここに、人生と言う名の一本軸があるとします。この一本軸のある段階のポイントで出ているのが現「証」であり、その証は時事刻々と変化が生じていきます。
 
 
診察では、あなたが持つ症状群に対して、現在どんな症状が・いつから・どのように起きているか・本来ある体質などを知る事で、「今の証」を立てていきます。
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中医の雑記学習養生法

この文章は、武術を始める前に書いた内容で、かれこれ練習を始めてもう直ぐ2年目を迎えようとしています。お蔵入りするにはもったいないので、記録に残しました。ついでに、やっている武術の内容は秘密だよ。... 続きを読むよ。

中医の雑記養生法

梅雨時って体調悪くなりますよね。
特に用もないのに、気持ちも落ち込んでしまいます。
 

どうして落ち込むのか?

 
中医では、曇りや雨は「陰」に属します。「陰」とは水・月・血などをつかさどります。老子の「道徳経」の「上善水の如し」なんて言葉がありますが、水は下へと降っていく重い物質でもあります。
 
本来ならば春や夏は陽気が上昇するべき季節ですが、「陰」が重くて陽気が上昇できなくなるために、梅雨時期に落ち込むが強く出てきます。
 
季節の要素以外にも胃腸が弱い人、特に中医では胃の弱い人は体に湿気を帯びやすくなります。当然食欲不振も現れます。そして、気の流れが低下して、古傷が痛みやすい時期にもなります。
 

どうしたら落ち込みは良くなる?

①体を動かす

運動は気を動かすことになります。激しい運動はしなくとも、軽く発汗をする感じで散歩やジョグなども良いですし、ストレッチなど筋肉を伸ばすのも良いでしょう。
 

②香味野菜を取るようにする。

シソやらニラやらパクチーやら。そのような香味野菜は気を流すことが出来ます。特にその点ではシソの葉は優秀です。気を流してあげるだけではなく、胃の調子も良くしてくれる生薬の一つです。肉厚のキノコのようなもので、体の水分を出すのも良いでしょう。そして多少辛いものを食べるのも良いでしょう。
漢方では、湿気を取る発散する、胃を整えるなどをベースに処方をします。
 

③消化の良い食事をとる。

この時期は気温の上昇もあるため、冷たい飲食をとる傾向があります。冷たいものは、胃にとってあまり良くないものです。胃が冷えることで肺が冷えるとも言われ、痰がある喘息が出ることがあります。
 
夏はこれからです。湿気を溜め込んだまま、夏を過ごしきらないためにも気をつけてみましょう。
病の原因は、自ら作り出す「自病」が多くあります。一つでも減らす事が養生のポイントですよ!
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中医の雑記中医学

最近、来院される患者さんで「風邪を引いた」という方が多く見られるようになりました。
症状はおおよそ、セキ、水っぽい鼻水、のどの痛みがほとんどです。
 

中医漢方での風邪を引くメカニズム

中医漢方の考えでは、気の低下=つまりは免疫力低下が起こり、「外邪」と呼ばれる外的気候変化や細菌・ウイルスなどを体が受け入れてしまいます。外邪を受け入れることで、症状を起こします。これを「外感」と呼びます。当然、免疫力が低下の状態なので、体の中へと侵攻していきます。
外感の基本特徴は、みなさんが葛根湯を飲むような症状が多く「首・肩・背中のこわばり、発熱、悪寒」を主症状とします。これ以外であれば、体の中へと邪気侵攻の可能性が考えられます。
 

昨今の夏風邪の原因

この時期の咳や水っぽい鼻水・のどの痛みは、エアコンの冷え、冷たい飲食を原因とすること多くなります。特に今年は猛暑が続き、エアコンの使用やアイスや冷たい飲物を飲食する機会が多かったと思います。
またエアコンは、冷気のほかに風を送ります。風は、乾燥をさせますので、ノドの乾燥による痛みを一層増させてしまいます。また、夏は発汗するので毛穴が開きやすく、毛穴から邪気が入っていきます。
冷たい飲食は、胃の乾燥機能を低下させて、水分代謝を悪くすることで湿気を作り出します。湿気が固まると痰へと変化します。
 
状態により痰がノドに溜まり、熱・冷え・乾燥で固まり、胸のあたりに違和感がある乾いたセキや水っぽいセキへと様相を変えていきます。
また、熱が強ければ、粘り気のある黄色に近い痰や鼻水が、冷えの要素が強ければ水っぽい鼻水を伴います。
 

夏風邪の治療

熱が強ければ、熱を冷ます薬に加えて、少し喉を潤す薬を使います。ただし痰があるので、痰を作る根本にある胃の機能の改善が必要になります。麦門冬湯や滋陰降火湯なども選択肢に加えられます。ノドの痛みだけならば、桔梗湯を使い少陰の火を降ろします選択肢も考慮できます。
 
冷えが強ければ、温める薬を使います。肺や胃を温める薬を使いますが、特にショウガ・カンキョウなどが配合された漢方が使い勝手が良いでしょう。例えば小青竜湯がこれに当たります。
 

食べ物でどうにか出来ないか?

考えてみました。中医漢方の考えでは、症状には気の方向性ということを考えます。セキやノドの痛みは気の逆流(気上逆)、水っぽい鼻水は気の保持力低下(気失封蔵)、痛みは流れが停滞あるいは栄養不足(気不通、血不栄)となります。
そこで大事なのは味と食べ物の持つ性質です。
 

ここで味の基本を勉強しましょう。

酸味は収める。辛味は発散する。塩辛さは水分を吸収。甘味は心を緩やかにして、脾胃を補う味。苦味は、以外にむしろ思いの外に大事な味です。苦味は気を降ろし、骨を固めます。
味の組合せも大事になります。酸味+甘味or苦味+甘味=陰を生じる。辛味+甘味=陽を生じる。
 
次に性質の考えをここで記載します。大きく3種類で分けるのであれば、温・平・寒です。もう少し細かい区分がありますが、ここでは割愛します。要は冷やすか温めるかということです。
セキ・鼻水などは抑えることに重点が置かれるのであれば、酸味で抑える事が出来ます。
 
風邪で有名な葛根湯は、この様な夏風邪には少々力不足は否めません。ただし、効果が出ないとも言いません。
 

2019年の傾向

上記の内容は、以前別のブログで書いた内容なのですが、今年は多少異なる傾向があり「土不及」という運気を持つ年です。「土」とは中医の臓腑「脾胃」を表します。胃は水を乾燥をさせる作用があるのですが、今年は土を補う力が低下するので、水が多く出る傾向があります。それは天候も同様で、湿気が多い1年であることを指しています。... 続きを読むよ。

中医の雑記中医学古典中医学学習

・中医と現代医学は結合は出来ないが、互いに補うことはできる。... 続きを読むよ。

中医の雑記中医学学習

MIT press Journalsに掲載された論文で「頭皮の上から電気的刺激を与えるだけで記憶力をブーストする事が出来る部分が発見された」そうです。論文の著者に中国系の方が数人いるから、鍼灸とも関係あるかもです。ついでに元ネタはGIGAZINEから。... 続きを読むよ。

中医の雑記養生法

Complementary Therapies in Medicine の論文によると、アメリカのマウント・サイナイ医療センターなどの研究グループが、運動などの身体活動の抗ガン効果についてまとめた評価を掲載しました。こちらの論文をまとめを掲載したサイトの内容を (http://kenkounews.rotala-wallichii.com/土日のアクセス減が月曜日のヤル気に響くんだ/)さらに要約してみました。... 続きを読むよ。

中医の雑記中医学学習

概要

福島大学食農学類の研究チームの論文が「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。... 続きを読むよ。

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