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古典中医学鄭欽安

医理真伝〜坎卦解〜

坎卦解について

ここでは言い切りを原文からの意訳にしてあります。

◎八卦の1つ「坎卦(かんけ)」について説明をしている章です。鄭氏が重要視している腎の陽気である「真陽」の解説がされています。次章は離卦解と題されており、坎=水と離=火の関係を二編でで説明をしています。

坎とは?

「坎」とは、水・陰・血を表し、真陽が蓄えられている場所のことを指す。坎卦の真ん中は天=陽であり、天は「1」を代表して水を生じるとあり(天一生水)、体では腎を表す。1つの真陽が2つの陰に挟まれている形になる。命の根であり、真の種子であり、真陽と呼ばれる。

補足

八卦では➖は陽、––は陰を表します。基本の八卦は3部構成されており、下から初爻(コウ)、真ん中を二爻、1番上を三爻と呼びます。
坎卦では初爻と三爻が––で、二爻が➖です。つまり、陰に挟まれた陽になります。

真陽

・真陽の別称

真陽には別称があり

相火・命門火・龍雷火・無根火・陰火・虚火」とそれぞれ呼ばれる。

・真陽の病名

元気不納・元陽外越・真火沸騰・腎気不納・気不帰源・孤陽上浮・虚火上衝」という名称は、全て真陽の病の名称である。

坎卦の三卦の中に1つ陽があるのは、陰中の陽である真陽があるため。

真陽の病のメカニズム

医学理論 「虚火上炎」

ここでは、真陽が病になった状態である「虚火上炎」を解説している。まずは本文の要約の前に、鄭氏の考える陰陽について大前提について紹介する。

鄭寿全の陰陽世界

ここでの陰陽の世界は、「一杯のグラスに水が入った状態。」です。陰陽のバランスが整っているとは、グラスの半分に水が入っており、もう半分には空気・空間がある状態を表しています。これを前提に引き続き解説を進めていきます。

空間に対して水の量が多いことを「水盛(陰盛)」、つまり陰が強い状態となる。水が増えれば、空間である陽(龍・火)の目盛りが上昇するが、相対的に見れば陽の部分が減少していることを表している。このように、陰が多く陽は少ないが、上部に陽がある状態を「虚火上炎」という。黄帝内経には、陰盛=陽必衰とある。

虚火上炎の治療理論

「扶陽抑陰」 陽気を補う事で、陰を抑える

「虚火上衝」のような熱が上部にある時、一般的な中医理論である場合「滋陰降火」の治法を用いる。

しかしながら、「虚火上衝」の状態で滋陰降火を使うのであれば、本来ある陰盛=水が旺盛であり、同時に陽虚でもある状態に対して、さらに水を継ぎ足し熱を冷ます=君火(心の火)を弱めてしまうことになる。

※心の火が病むと、ウツ状態などなりうる。

特に熱い飲み物を好んで多く飲み、冷たいものを一切受け付けない状態が見られる時は、滋陰降火の害と言える。

※体の冷えが勝るため

また、肉桂・附子は引火帰源(火を腎へと引き戻す)と言われるが、本来その帰す意味は知られていない。肉桂・附子・姜は純粋な烈火の生薬で、火が強くなれば陰は自ら消え去ってくれる。
特に肉桂と附子は坎離の陽気を補うことが出来て、その中でも強い種類の薬である。
肉桂や附子を使うことで、上へと溢れようとする陰を十分取り除くことが出来て、陰の偏りを無くせば安定をする。引火帰源と言うように、引き戻すということは無い。
後学者は、一陽(腎陽)を探らずに滋陰降火をただ行うのは殺人をするのと同じことだ。

※陰陽の見極めが非常に重要になる。

まとめ


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